2017年1月26日木曜日

クラクション

「ずるい」と言うべきはずの瞬間に記憶を失くし、森に積もる水墨画のような雪とグレイッシュな空を見送り、チョコレイトをたらふく食べて、動悸の渦に身を潜める。ラッキーガールに、あのね、わたしも昨日はラッキーガールだったんだと告白をし、朝目覚めてから夜眠りつくまでのことをかいつまんでゆく。言うべきはずのセリフ、言ってはいけないセリフ、言いたかったセリフ。10年ぶりくらいに伸ばした髪は、伸ばした、というよりも、伸びた、がふさわしく、これから先のたのしみなどはない。ただ、つげの櫛で丹念に髪を梳かすことが日課である。

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